Category Archives: 設計

全国城下町シンポジウム

先週末、青年会議所主催の『全国城下町シンポジウム』という会合があり、
安藤忠雄氏の講演と湧水案内のボランティアに呼ばれていたので出かけてきました。

安藤さんの講演会は途中までしか聞けませんでしたが、震災復興の話など最近の話もあり、
『仕事がなければ自分で作れ』というメッセージがあちこちにあって元気と勇気をいただけました。

著書『連戦連敗』を買ってサインも頂いてきました。
去年から一年で藤森照信氏、伊東豊雄氏、安藤忠雄氏と、私の中の3大建築家のサインを
集めることができました。

サインを貰って喜んでいるだけではいけない。
いつかは自分もサインを求められる側になりたいものだと、
安藤さんの話を聞いて思いました。

ArchiFuture2010

日本最大級のBIMイベント、ArchiFuture2010に行ってきました。
BIMとは、何度か話題に上げていますがビルディング・インフォメーション・モデリングといい、計画段階からコンピュータ上に仮想建築物を作り、様々な角度から建物を検討していく手法です。
3Dで意匠・構造・設備を整合させながら進める設計手法でもあり、初期段階からボリューム、空調や日影等の環境負荷、外観、工事費などをシミュレートでき、施工現場、竣工後のメンテナンスにも役立てることを意図しています。

そんなイイ事だらけのBIMですが、まだ中小の物件まで普及しない理由は、ソフトが高価で専門的過ぎ、互換性がないのでプロジェクトに関わるクライアント・設計者・施工者の足並みが揃わないことが原因と思っています。

私のSketchUPを使った建築シミュレーションはそんなBIMのボトムアップアプローチで、小さな物件でも手軽に3Dを取り入れることを目指しています。
合言葉は『お茶の間にBIMを』ってな具合でやっています。

ソフト会社もプラットフォームの主導権争いの愚に気づき、やっと汎用性を持つOpenBIMという形を取り始めたので、いずれはSketchUPも私の活動もその中に統合されていくものと思います。

さて、前置きが長くなりましたが、そんなBIMのイベントがArchiFuture2010として、著名な建築家やBIMソフトメーカーを招いて、東京の有明で開催されました。

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SketchUPから建築模型作成

精密に作らた建築模型は技術と根気の芸術だと思います。

自称SketchUP職人の私はほとんど模型を作りません。
と言うか、建築模型はハッキリ言って苦手で、模型作りの技術は学生時代から進歩していなく、
可能な限り避けてきた道です。

そんな私が久々に模型作りをすることになったので、SketchUPデータを活かしつつ
最低限の技術で模型を作る方法をまとめてみます。
無謀にもテクスチャ入りの模型に挑戦してみます。出来栄えは如何に!?

今回は第一回、【型紙作り編】です。 Continue reading

模様替えシミュレーション

居酒屋をやっている友人から、模様替えのシミュレーションの話を頂きました。
早速現地を実測しモデルを作成、何パターンかで壁のテクスチャを設定し
レンダリングをしてみました。

欧米の大工の格言で 『二度測って 切るのは一度』 というのがあるそうです。

設計・シミュレーションをきっちり行って、目指している空間を一発で作る。
イメージの不一致から起こる 『やり直し』を、費用のウエイトの一番重い工事から
安い設計へとシフトすることはとても意味の有ることだと思います。

ただ目下の問題は 『モノは有料、設計はタダ』 みたいな風潮が蔓延している世の中で、
シミュレーションの有効性を如何に説くかというところにあります。

プリウス問題

トヨタのプリウスのリコールが問題となっていますが、
その背景にはシュミレーションソフトの過信があったといわれています。

シミュレーションの問題ということで、設計に関わる仕事柄
無関係ではないので、少し掘り下げて考えてみたいと思います。

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リベンジ

以前、蔵のことについて、なくなっていく建物に対して何もできなかったことを書きました。
そこで今回、蔵を題材としたコンペを見つけたので参加することにしました。

締め切りも近く、どこまでつくりこめるか分かりませんが、
まずは挑戦し、自分の中に答えを持つことが大切。
自分のプレゼンの力量を把握する上でもコンペはいいと思います。

フォーマット

最近のPCではハードディスク等が大容量になり、ネットストレージなども使われるようになり、
データの置き場を物理的にイメージしなくなっているので
『フォーマット』というと単に『消去する』という意味を思い浮かべる人が多いと思います。

しかし、『書式』のことをフォーマットと呼ぶように、厳密には『書き込み可能にする』ことを意味します。
単に消去するのと書き込み可能にするのでは、荒地と畑くらいの差があるのではないでしょうか。

たとえば、良くできた書式は何を記入すれば良いかすぐに分かり、
必要な情報を漏れなく書き込む作業に集中できます。
つまり、書式が書かれた紙はただの紙ではなく、
物理で習うところの位置エネルギーのようなものが込められている
と言っていいのかもしれません。
それは空間に置き換えることもできます。さしづめ、

『良くできた(デザインされた)空間では作業に集中できる』

ということでしょうか。
図書館では読書に集中できますし、食堂では食べることに集中できます。
もう少し典型的な例で言うと、選挙の投票所。
ただの体育館等なのですが、適切な配置によりどんな人でも投票作業が滞りなくできるように
場所が作られています。しかも容れ物になる建物に縁らず、全国規模で均質に。

我々の行う設計という行為は、『空間にエネルギーを込めること』と言えるのかもしれません。
無限の可能性を持つゆえに何の方向性も持たない『空間』を、適切に方向付けして『場所』につくりかえる。
その方向付けには用途や趣向や風土・文化、あるいはコストなど、様々なものが盛り込まれます。
その結果、平凡な建物になったり、心地よい建物になったり、その地域独特な建物になったりします。

『フォーマット』という言葉から、だいぶ大風呂敷を広げてしまいました。
『無に帰す』というネガティブな感情が込められがちなこの言葉、実はとてもポジティブな言葉だと思います。

失われた風景

Googleの出しているPicasa3というソフトで、撮り溜めた写真を整理していたところ、
もう見られなくなってしまった風景が出てきました。

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計画概要書の閲覧

建築を行う際、確認申請という役所に法的なチェックを依頼し
許可を受ける必要があります。
(これを偽装したのがアネハ事件でした)
その内容は建築計画概要書というダイジェスト版になっていて
役所に行けば誰でも見ることができます。
今回、初めて閲覧をしてみました。 Continue reading

DIYとSketchUP

今日は仕事道具『SketcuUP』とDIYについて書きます。

SketchUPはGoogleが出している三次元モデリングツールで、
フリーバージョンと有料のProバージョンがあります。
フリーバージョンは出力時の解像度や一部プラグインが使えない等の
制限がありますが、モデリングについてはほぼProバージョンと同じことが出来ます。

三次元モデリングというと、今までは操作の難しいソフトばかりでしたが、
このSketchUPはとても直感的に使えるソフトになっています。
慣れれば三次元空間に直接立体を描くことも出来ます。

DIYで机などを作るときには図面を手書きやCADで書くこともあると思いますが、
最初からSketchUPで書くのがお薦めです。
書きながらデザインやおさまりの検討も出来ますし、作ったモデルをコピーしてバラせば
必要となる木材の切り出し寸法や歩留まり(無駄なく材料を使う)を考えるのが簡単に出来ます。
木材の量が分かれば材料費もすぐに見積もれます。


あらかじめ切り出し寸法を正確に出しておけば、ホームセンターで材料を購入するときに
一緒に切ってもらい、後はネジでバンバン止めるだけという、お手軽DIYも出来ます。
SketchUPはDIYと非常に相性の良いソフトだと思います。

(今回アップした絵はフリーバージョンでも十分モデリング出来ます。)