『現地集合』

松本の街中を歩いていると、居酒屋の看板で『現地集合』という文字が目に入りました。
 『現地集合』
なんとフリーダムな匂いのする言葉でしょう。

高校のとき北海道にいたのですが、何の交通機関もないキャンプ場に
『現地集合』となるクラス旅行がありました。
帰りのバスだけ全員で乗り、現地までは2~4人程度の小グループで移動。
移動方法も自由で、途中どこかで1泊することがルールでした。

私のグループは行けるところまで電車でいき、そこで民宿に素泊まりし、
そこからはヒッチハイクと徒歩という、比較的無難な方法でたどり着きました。
現地に集合し、キャンプファイヤーをしながら、どうやって来たかを発表するのですが、
ツワモノのグループはヒッチハイクを重ね、一度青森まで船で渡ったり、
全行程徒歩だったり、野宿をしたり、琥珀色の発泡性液体を飲んだの飲まないだの、
さまざまな武勇伝が生まれました。
ちょっとした『スタンド・バイ・ミー』のようでした。

北海道という土地が牧歌的で、進学校でデキる連中が多かったこともありますが、
先生と生徒の信頼関係が強かったのは確かです。
もちろん(表立った)問題は起こらず、良い思い出となるクラス旅行となりました。

信頼するなら手綱を放す。なかなか難しいことです。
最近のルールだらけの世の中では
盗んだバイクで走り出したくなるのも分かる気がします。
建築業界もルールの厳格化の一途。
政権交代で責任逃れ・ルール頼りの弱腰行政も改善されるといいのですが。

小学校のころ『家に着くまでが遠足です』と事なかれ主義の先生は言ったけど
人生そのものが目的地の決まっていない遠足だと、大人になって思います。

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